御法主日如上人猊下御指南
11月度広布唱題行の砌
本日は、十一月度の広布唱題会に当
たりまして、皆様には諸事御繁多のところ、信心強盛に出席され、まこと御苦労さまでございます。
さて、大聖人様は『南条兵衛七郎殿御書』に、
「信心ふかき者も法華経のかたきをばせめず。いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかきだにもせめざれば得道ありがし。たとへば朝につかふる人の十年二十年の奉公あれども、君の敵をしながら奏しもせず、私にもあたまずは、奉公皆せて還ってとかに行なはれんが如し」(御書三二)
と仰せであります。
この御文は、既に皆様方にはよく御存じのことと思いますが、一生成仏を願う私どもの信心の上から申して折伏がいかに大事であるかを示されたものであります。
すなわち、たとえ信心強盛な者であっても邪義邪宗の謗法に対して、そのまま見過ごして折伏をしなければ、たとえいかなる大善を作り、法華経を千万部も書写し、一念三千の法門を知得た人といえども、成仏得道することは難しいと御教示あそばされているのであります。
まことに厳しい御教示でありますが、私どもはこの御教示を拝して、まさに今こそ、邪義邪宗の謗法の害毒によって苦しみ、不幸に喘いでいる多く の人々のためにも、断固決然として折伏を行じていくべきであります。
大聖人様は『曽谷殿御返事』に、
「謗法を責めずして成仏を願は、火の中に水を求め、水の中に火を尋ぬるが如くなるべし。 はかなしはかなし。何に法華経を信じ給ふとも、謗法あらば必ず地獄つべし。うるし千ばい蟹の足一つ入れたらんが如し。『毒気深入、失本心故』とは是なり」(同一〇四〇)
と仰せであります。
この御文は、皆様方もよく耳にすることでありましょうが、特にこの御文中の「謗法を責めずして成仏火の中に水を求め、水の中に火を尋ぬるが如くなるべし。はかなしはかなし」との御文を拝し、私ども一生成仏にとって折伏を行していくことが、いかに大事なことであるかを知らなければなりません。
また『如説修行抄』 には、
「権実雑乱の時、法華経の御敵を責ずして山林に閉ぢ篭りて摂受の修行をせんは、法華経修行の時を失ふべき物怪にあらずや。 されば末今の時、法華経の折伏の修行をば誰か経文の如く行じ給へる。誰人にも坐せ、諸経無道墮獄の根源、法華経独り成仏の法なりと音も惜しまずよばはり給ひて諸宗の人法共に折伏し御覧ぜよ」
(同六七三)
と仰せであります。
この御文においては、爾前の諸経等はすべて「無料道地獄の根源」と仰せ であります。したがて、私どもは不幸を招く元凶である邪義邪宗の謗法に対しては厳しく対応し、「折伏正規」「謗法厳誠」の宗是を固く守り、厳として破邪顕正の折伏を行じていくことが肝要であります。
されば今、私どもは謗法によって苦しんでいる人を見て、そのまま見過ごしてしまうのではなく、 大慈大悲の心を持って折伏すべきであります。もし、謗法を責めもせず、折伏もしなければ、自行化他の信心の上からいって満足な信心とは言えず、たとえいかに成仏を願っても、火の中に水を求め、水の中に火を求めるようなものであると厳しく御指南あそばされているのであります。
私ども一同、改めてこの御文を拝し、一人ひとりが謗法の害毒によって苦悩に喘ぐ多くの人々を救い、真の幸せを実現すべく、勇躍として折伏に励むことが今、いかに大事であり、急務であるかを知らなければなりません。
どうぞ、皆様方にはこれらの御教示を拝し、一天四海・皆帰妙法を目指し断固決然として折伏を行じ、講中一・異体同心して、いよいよ自行化他信心に励まれますよう心から願い、一言もって本日の挨拶といたします。
(大白法令和7年11月16日号より転載)
{御指南掲載は、宝相寺hp管理人様のご協力を頂いております。}
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